神殺しのクロノスタシス2

まず第一に。

「何で魔導適性もないのに、魔導学校に入れたんだよ!入学試験は!?」

あるはずだろ?何処の魔導学院でも。

実技試験が。

魔導教育法で、定められていることだろう。

国内全ての魔導学院は、入学試験で、魔導適性の有無を実技において確認する、って。

試験のときにその場で魔法が使えることを見せ、自分に魔導適性があることを示さなければならない。

その過程を踏まないと、魔導学院には入れないのだ。

だって、魔法使えないのに、魔導学院に入っても意味ないし。

まぁ、アトラスみたいに、交換留学的に入学するという特例はあるが。

「あぁ、試験のときは…こっそりライターを忍ばせて」

「…」

「炎魔法使った振りして、何とか誤魔化した」

「…馬鹿だ」

物凄く、常軌を逸した馬鹿だ。

そして、試験監督。

何処の魔導学院なのかは知らないが。

たかがライターで騙されてるんじゃねぇよ。

「一学期の実技試験は?」

「水風船を、制服の中に忍ばせて」

やっぱり馬鹿だ。

「だから二学期の実技試験は、こっそり小さなスピーカーを忍ばせて、音魔法を使ってるかのように見せようとしたんだけど…」

「…」

「スピーカーが、思いの外不調で、音出なかったんだよ」

「…」

「で、なんか色々バレて、退学になった」

「当たり前だ」

むしろ、二学期まで誤魔化しきったことを褒めてやりたいわ。

本物の馬鹿じゃないのか。

「す、凄いね君…」

見ろ。シルナまでもが、若干引いてる。

何が凄いって、白々しい顔して、そこまでしようとする度胸だよ。

何故その度胸を、別の方向に活かせなかったのか。

「そもそも、何でそこまでして魔導学院に入ったんだ?魔導適性がないなら、普通の中学校に入れば良かったじゃないか」

無理して魔導学院に入っても、自分だって辛いだけだろう。

周りは当たり前のように魔法を使ってるのに。

自分だけ毎回、内心ヒヤヒヤしながら、マジシャンみたいなことして誤魔化すなんて。

「いや、そうは問屋が卸さなくて」

「何処の問屋が卸さなかったんだ?」

「僕の家族が」

…家族…?