神殺しのクロノスタシス2

「会いたいなぁ~。きっと二人に似て、格好良いんだろうな~」

「…」

もう、あれだな。

完全に、孫が生まれたばかりのおじいちゃんだな。

「もう会いに行っても良いんじゃないんですか?生まれたの、先週でしょ?」

「いや、でも難産だったらしいし…。下手に面会に行って、迷惑かける訳にはいかんだろ」

人間一人、捻り出したばかりなんだぞ。

出産二回目とはいえ、シュニィだって、疲労困憊だろう。

まずは身体を休めるのが先決のはず。

赤ん坊が元気なのは幸いだが、シュニィに負担をかける訳にはいかない。

あぁ疲れた、休みたいと思ってるところに。

頭の中お花畑のシルナが、病室に押し掛けていったら。

最早、迷惑以外の何者でもない。

病室で騒ぎまくるに決まってる。

子供を産んだばかりの若い女性の前で、おっさんが突然、どんちゃん騒ぎし始めたらどうなるか。

考えるまでもなく、大変健康に悪い。

そのときは、病院の窓から放り捨てよう。

「いつ行けば良いんですかね。難しいですね」

「そうだな…。でも、生まれたのは先週だし…」

そろそろ、面会に行っても良い頃なのでは?

シュニィの体調にもよるが。

…。

「とりあえず、会いに行くだけ行ってみようか。シュニィがまだ辛そうだったらすぐ帰るってことにして」

「うんうん!見たい!赤ちゃん見たい!」

シルナは置いていこうかな。

「それって、僕は行っちゃ駄目な奴ですか?」

と、ナジュ。

「別に良いだろ。ただし内臓はしまっとけよ」

産後にそんなグロいもの見せられたら、体調が悪化する可能性大。

「分かりました。じゃあ脊椎もしまっときますね」

脊椎まで出てたのかよ。

すると。

「朝から騒がしいですね…。何事ですか」

「あ、イレースちゃん!」

イーニシュフェルト教師陣唯一の女性、イレースがやって来た。

「今ね、今ね、シュニィちゃんの話してたの」

「先週出産されたそうですね」

「そうなんだよ!だから、皆で会いに行こうかなって、今皆で話してたんだ。良かったらイレースちゃんも一緒に」

「あら、面会なら行きましたよ、私。昨日」

「!?」

何だって?

「体調があまり宜しくないと聞いていたので、長居はしませんでしたが。出産祝いを渡して、少しだけ話して帰ってきました」

…まさか、俺達より先にイレースが、既に面会に行っていたとは。

先に言ってくれよ、それ。

「ずる~い!イレースちゃんだけフライングだ!」

「ズルいと言われましても…」

まぁ、イレースは静かだからな。

何処ぞの頭お花畑シルナや、内臓露出狂と違って、気遣いも出来るし。

「失礼ですね羽久さん。僕だって好きで内臓晒してるんじゃないですよ」

「良いからしまっとけ。見せるな。分かったな?」

「仕方ないですねぇ」

つーか、お前平気で内臓晒しながら生きてるけどさ。

病院行った方が良いんじゃね?

と、思ったが。

不死身のナジュにしてみれば、脳漿ぶちまけようが四肢がちぎれようが、放っとけば勝手に治るのだから。

そんなに気にすることでもないのかもしれない。

でも、正直に言おう。

グロい。