私は、瀕死の重傷を負ったヴァルシーナに、背中を向けた。
とどめは、刺さなかった。
刺せなかった。
そんな弱い私に向かって、地べたに転がったままのナジュ君が、私に話しかけてきた。
「…ねぇ、シルナ学院長」
「うん?」
「そんな罪を犯してまで、あなたに生きる意味はあるんですか」
…良い質問だ。
「答えを聞かなくても、君は心が読めるんだから、聞く必要ないんじゃない?」
「今、肝臓治すのに必死なんで、読心魔法使ってる余裕がないです」
成程。確かに。
「私には、生きてる意味も価値もない」
多分、生まれたときからずっとね。
「じゃあ、何で生まれてきたんですか?」
何で、とは。
ナジュ君は、本当に良い質問をするね。
私が何で生まれてきたのか、その理由は簡単だ。
「…この子に、二十音に会って、二十音を愛して、二十音に愛される為、かな」
「…」
「…何か言ってよ、ナジュ君」
なんか、寒いこと言ったみたいな空気になっちゃったじゃないか。
「いや、寒いこと言うなぁと思って…」
君、今本当に読心魔法使ってないの?
「意外とどうでも良い理由なんですね」
「…酷いなぁ…」
「でも、僕も似たような理由で生まれてきたんで、お互い様ですね」
「…そっか」
意外につまらないものなんだね。
生きてる理由とか、生まれてきた意味とか。
そんなのどうでも良いじゃないか。
生きて、幸せでいられるのなら。
そんなつまらない理由で生きてたって、それで良いじゃないか。
でも出来れば、願わくば。
死ぬ一秒前に、「あぁ良い人生だった」と思いながら走馬灯を見られたら、幸せだよね。
とどめは、刺さなかった。
刺せなかった。
そんな弱い私に向かって、地べたに転がったままのナジュ君が、私に話しかけてきた。
「…ねぇ、シルナ学院長」
「うん?」
「そんな罪を犯してまで、あなたに生きる意味はあるんですか」
…良い質問だ。
「答えを聞かなくても、君は心が読めるんだから、聞く必要ないんじゃない?」
「今、肝臓治すのに必死なんで、読心魔法使ってる余裕がないです」
成程。確かに。
「私には、生きてる意味も価値もない」
多分、生まれたときからずっとね。
「じゃあ、何で生まれてきたんですか?」
何で、とは。
ナジュ君は、本当に良い質問をするね。
私が何で生まれてきたのか、その理由は簡単だ。
「…この子に、二十音に会って、二十音を愛して、二十音に愛される為、かな」
「…」
「…何か言ってよ、ナジュ君」
なんか、寒いこと言ったみたいな空気になっちゃったじゃないか。
「いや、寒いこと言うなぁと思って…」
君、今本当に読心魔法使ってないの?
「意外とどうでも良い理由なんですね」
「…酷いなぁ…」
「でも、僕も似たような理由で生まれてきたんで、お互い様ですね」
「…そっか」
意外につまらないものなんだね。
生きてる理由とか、生まれてきた意味とか。
そんなのどうでも良いじゃないか。
生きて、幸せでいられるのなら。
そんなつまらない理由で生きてたって、それで良いじゃないか。
でも出来れば、願わくば。
死ぬ一秒前に、「あぁ良い人生だった」と思いながら走馬灯を見られたら、幸せだよね。


