「…やっぱり、君だったんだね」
シルナは、静かにそう言った。
…やっぱり?
「知り合いなのか、シルナ…」
「…うん。彼女が小さい頃に、何度かね」
ヴァルシーナが小さい頃って…。
「イーニシュフェルトの里の…族長の孫娘」
「…!?」
「そうだよね?」
「…そうだ」
そんな、まさか。
じゃあ『カタストロフィ』のリーダーは、シルナの故郷の…。
「…一度だけ、お前にチャンスを与えてやろう」
ヴァルシーナは、上から目線でシルナに言った。
上から目線になるのも当然だ。
何せ彼女は、イーニシュフェルトの里の族長の血を継いでいる。
シルナにとっては、かつての上司の孫娘なのだから。
「今すぐ、その忌々しい…。邪神を宿す者を、殺せ」
「…」
邪神を宿す者。
それはつまり、俺のこと…いや、前の俺のことか。
俺を差し出せば、まだ許してやる、と。
これまでの数々の狼藉を、なかったことにしてやろう、と。
素晴らしく寛大な措置ではないか。
だからシルナは、ここでうんと頷けば良い。
ごめんなさい私が間違っていました、と頭を下げ。
そして、俺を差し出せば良い。
それだけだ。簡単な話だ。
それが正解の道で、正しいはずの選択なのだ。
しかし。
「…それは出来ない」
シルナは、きっぱりとそう答えた。
シルナは、静かにそう言った。
…やっぱり?
「知り合いなのか、シルナ…」
「…うん。彼女が小さい頃に、何度かね」
ヴァルシーナが小さい頃って…。
「イーニシュフェルトの里の…族長の孫娘」
「…!?」
「そうだよね?」
「…そうだ」
そんな、まさか。
じゃあ『カタストロフィ』のリーダーは、シルナの故郷の…。
「…一度だけ、お前にチャンスを与えてやろう」
ヴァルシーナは、上から目線でシルナに言った。
上から目線になるのも当然だ。
何せ彼女は、イーニシュフェルトの里の族長の血を継いでいる。
シルナにとっては、かつての上司の孫娘なのだから。
「今すぐ、その忌々しい…。邪神を宿す者を、殺せ」
「…」
邪神を宿す者。
それはつまり、俺のこと…いや、前の俺のことか。
俺を差し出せば、まだ許してやる、と。
これまでの数々の狼藉を、なかったことにしてやろう、と。
素晴らしく寛大な措置ではないか。
だからシルナは、ここでうんと頷けば良い。
ごめんなさい私が間違っていました、と頭を下げ。
そして、俺を差し出せば良い。
それだけだ。簡単な話だ。
それが正解の道で、正しいはずの選択なのだ。
しかし。
「…それは出来ない」
シルナは、きっぱりとそう答えた。


