「…なんて、やると思いました?」

「…!?」

僕は、伸ばしかけた自分の手を斬り落とした。

馬鹿、いてぇ。馬鹿、馬鹿な手。いてぇ。

痛いけど、馬鹿な手だから、罰を与えなくては。

乗せられるな。

呑まれるな。

「リリスは…そんなことは言わなかった…」

彼女を馬鹿にするな。

僕達の絆を、侮辱するな。

リリスは、自分が救われたいが為に、僕との約束を破ったりしない。

勝手な妄想作って、勝手に洗脳しようとするな。

僕とリリスの絆を、見くびるな。

「何百…何千体目のリリスが来ても…」

所詮、それは偽者でしかない。

偽者に、僕は騙されたりしない。

それは僕が今まで殺してきてしまった人々への、贖罪でもあるから。

「殺してあげますよ…何回でも」

自分で斬り落とした腕が、歪な音を立てて再生した。

「如何せん…僕は不死身なんでね」

何百体目のリリスの、首を斬り落とした。




そのときだった。



「…あれ?」