神殺しのクロノスタシス2

「じゃあ、イレース」

「はい」

「イレースだったら、さっきの相談されたら、何て答える?」

「自分の顔に自信がない、っていう相談ですか?」

俺が頷くと、イレースは少し思案して。

「そうですね。自分の顔は生まれつきのものだから、変えることは出来ません。外見に自信がないのなら、内面を磨けば良いんです。さしあたり、こんなところで時間を浪費していないで、勉強や訓練に精を出すべきです」

分かってはいたけれど。

イレースも、全然カウンセラー向きじゃねぇ。

泣くぞ?クライアント。

それって要約すると、「お前がブスなのは偽りのない事実なんだから、諦めて勉強でもしたら?」ってことだからな。

自殺者が出るわ。

「そう言う羽久さんなら、何て答えるんですか?」

「俺?俺は…」

…何て答えるのが正解かな。

いや、カウンセリングに正解も不正解もないし。

この手の相談の場合、多分「そんなことないよ。充分綺麗だよ」って、否定して欲しいんだろうけど…。

安易に言って良いものか。

「シルナ」

「え?」

「お前なら何て答える?」

「私?私は自分の生徒は皆可愛いよ」

お前は、この手の相談の趣旨すら理解していない。

そうじゃねぇだろ。

「まぁ…。人には長所も短所もあるんだから、あまり外見だけに囚われるな、って言うかな…俺なら」

「えー。羽久さんだけ、そんな無難な答えって。ズルくないですか?」

即答で整形を勧めたお前にだけは、言われたくないな。