神殺しのクロノスタシス2

シルナは、大号泣でイレースの足にしがみついた。

「もうやめてよイレースちゃん!私が、私が悪かったから!」

「え、あ、はい?」

シルナにしがみつかれて、ようやく我に返ったらしいイレース。

怒りの沸点越え過ぎて、自分が何を言ってたのかも分かってなかったんじゃないかな。

「わ、私の為に争わないでよぉぉぉ!こんなっ、こんな罵り合い、見たくないんだよぉぉ!」

泣きじゃくって訴える学院長、シルナ。

何故か、この場で一番偉いはずの人間が。

床に這いつくばってイレースの足にすがり、鼻水と涙を垂らして泣きじゃくっている。

当事者の俺達は、全く笑えないが。

第三者から見たら、めちゃくちゃ滑稽な場面に映ったことだろう。

「いや、僕は既に滑稽ですけどね」

「お前も事の渦中にいることを自覚しろよ…」

何、自分だけ安全圏に逃げようとしてるんだ。

お前も教師陣の一人なんだから、こっちに戻ってこい。

隙あらば逃げようとするな。

この阿鼻叫喚を見れば、逃げたい気持ちはよく分かるがな。

あと、シルナ。

必死になってるところ悪いけど。

別に、お前の為に争ってる訳じゃないと思うよ。

「お願いだよ!もう争うのはやめてぇぇ!謝るから!私謝るからぁぁ!」

いや、お前に謝れても。

「仲良くしてよ、お願いだよ!怒らないで!私、私謝るから!」

「い、いえ…そんな、あなたに謝られても…」

「ユーマ君ね、ユーマ君は良い子だよ。確かに今は成績が奮わないかもしれないけど、でも良い子だから!」

良い子を推していくシルナ。

「まだ一年生だよ?これからたくさん学んで、たくさん努力して、積み上げていくんだよ。たかが一年生の二学期の成績表なんて、ユーマ君の長い人生に何の意味があるの?そんな薄っぺらい紙切れ一枚で、ユーマ君の価値を語ることなんて出来ないんだよ!」

物凄く良いことを言っている。

物凄く良いことを言ってるけど。

顔が鼻水と涙ダラダラで、全然格好良く見えない。

「お願いだよ。長い目で見てあげて。ユーマ君頑張ってるから!頑張ってるんだからぁぁ」

って、イレースに泣きついても意味ないだろ。

「僕達は…何を見せられてるんでしょうか」

ナジュ。言うな。