神殺しのクロノスタシス2

「賄賂をホイホイ受け取るくらいの気概ある学院長だったら、こんなに苦労してません。この人の肝っ玉の小ささには、私だって苦労してるんですから!」

「あんたは教師なんだから、ご利益に預かる側でしょう!さぞかし懐が暖かいんでしょうね!」

…ところでさ。

これって、何の話してたっけ?

「成績表云々が、金の話に発展してますね」

「何がどうなってこうなったんだよ…」

「え?だから、賄賂を握らせてきた生徒だけを贔屓してると…」

「いや分かった。説明しなくて良い」

いずれにしても、事実無根、生産性の欠片もない言い争いであることは確かだ。

「成績の採点方式も、全部学院長が決めてるんです!文句があるなら、学院長に言ってください!」

「あんただって、そちら側の人間の癖に!何を言ってるのよ!」

「そちら側…!?私と学院長を勝手に一括りにしないでください。自堕落で甘ちゃんな学院長に、私だって苦労してるんですから!」

言い争いが、何故かシルナの悪口大会になり。

最早成績表のことなんて、両者共にどうでもよくなってきた、

そのとき。

唾を飛ばし合っている女性陣を、何とか宥めようとあわあわおろおろしていたシルナの。

心の堤防が。

壊れた。

「う…うわぁぁぁぁん!」

「!?」

「!?」

「争わないで…私のことで争わないでよぉぉぉ!」

これには、一同ポカンとしていた。