神殺しのクロノスタシス2

今のご時世、小学校でも、魔導科を置いてある学校は、少なからずある。

それだけ、魔導師の需要が高まっているということなのだが。

幼い頃から、魔導適性のある子供は、魔導科のある小学校に入学する。

ユーマ君も、その中の一人だったのだろう。

で、そこで優秀な成績を取り続けた。

合宿だのセミナーだのにも参加して、そこでも優秀だと太鼓判を押され。

ついには、あの天下のイーニシュフェルト魔導学院にまで合格した。

なんと華々しい。

うちの自慢の息子!と思うのも無理はない。

けれども。

こちらとしては、それが何か?としか言えないのだ。

「それが何か?」

ほら。イレースが言っちゃったよ。

それを聞いて、またユーマ母の怒りゲージがランクアップした。

何処まで上がるんだろう、あのゲージ。

際限なく上がり続けるのだろうか。

そうだとしたら、こちらもお手上げだ。

「ラミッドフルスでもイーニシュフェルトでも、全国から優秀な生徒が集まることに変わりはありません」

「そうよ、うちの子は優秀なのよ!だから…」

「ですが、それは『今までの』話でしょう?」

「…何ですって?」

ヒートアップ待ったなしの状況に、おろおろするシルナ。

落ち着け。

イレースも落ち着け。

ナジュはこっそり王室御用達のお菓子を食べるのをやめろ。

こっちは修羅場なんだぞ。

「イーニシュフェルト魔導学院には、あなたの息子さんと同じ…いえ、それ以上に優秀な生徒の集まりです」

うん。

「今までの、小学校のときの成績なんて、うちに入学した時点で、最早何の価値もありません」

うん。

そうなんだけど、はっきり言い過ぎ。

また燃えてるよ。怒りゲージがメラメラと。

「なっ…な…」

「お宅の息子さんは、今までの学校では優秀だったかもしれませんが、イーニシュフェルト魔導学院では、別段大したこともない、普通の生徒の一人なんです」

…あーあ。

イレース、お前容赦ないにもほどがある。

そしてナジュ。お前よくこの状況で菓子食ってられるな。

ちょっと残しておいてやれよ。それ、シルナの秘蔵の菓子なんだから。