神殺しのクロノスタシス2

「あ、学院長じゃないですか。どうしたんですかこんなところで」

「それはこっちの台詞だよ!どろぼー!このどろぼー!生徒どろぼー!」

言い掛かりも甚だしい。

生徒泥棒って。

そもそも生徒達は、別にお前のものじゃないから。

生徒の見てる前で、教師同士の喧嘩なんて恥ずかしいから、やめて欲しいのだが。

ナジュには、傍迷惑な能力が備わっているので。

「あぁ済みません学院長。あなたがいない間に、僕、生徒から超絶人気のカリスマ教師になってしまいました」

「~っ!!」

…読んだな、ナジュ。

お前今、シルナの心読んで、わざと煽ったろ。

妄りに人の心読むのやめなさいって言ってるのに、あいつ本当…救いようがないな。

しかし、彼が生徒に人気なのも無理はない。

「ナジュ先生、私どうしてもこの複合魔法が上手く出来なくて…」

おずおずとナジュに話しかける、女子生徒。

「はい?…うん、あなた、二つ目の術式展開がちょっと早いんですよ。もう少し遅くて良いです」

「わ、分かりました。やってみます」

改めて、ナジュの助言通りに、魔導人形相手に、炎と雷の複合魔法を放つ生徒。

今度は成功。

「やった…!出来た…!」

「おめでとうございます」

「ナジュ先生、ありがとうございます!」

女子生徒は嬉しそうにはしゃぎながら、ナジュに頭を下げる。

「いえいえどういたしまして」

「ナジュ先生!次は私に教えてください」

「私も、私も教えてください」

我も我もと、生徒達がナジュを取り囲む。

「はいはい、並んで並んで~。順番に見ますよー」

ナジュ、大人気。

一方のシルナ。

…顔面蒼白。

これで、生徒が学院長室に遊びに来なくなった理由が分かったな。

ナジュに、人気全部吸い取られてるんだ。