神殺しのクロノスタシス2

しかし。

辿り着いた図書室では。

「…」

ぐるりと図書室内を見渡す。

図書室の一角に設けられた、勉強や読書をする為の閲覧コーナーを見ても。

ポツポツ生徒の姿は見られるが、試験前のように、ぎっしり席が埋まってる、ってことはない。

図書室内も、特に何もなく、相変わらず静か。

「おかしい…。おかしいぞ!図書室が犯人じゃないのか!?」

静かじゃないのは、こいつだけ。

犯人って何だよ。

お前、誰かに生徒を奪われたと思ってるの?

「じゃあ他に、何処に…」

学生寮に帰ってんじゃないの?

と、言おうかと思ったら。

本を返しに来たらしい二人組の女子生徒が、俺達の横を通った。

そのとき、二人の会話が聞こえた。

「ね、この後稽古場行かない?」

「うん!行く行く」

という、他愛ない会話。

しかし、シルナは獲物を見つけた肉食獣のように、女子生徒達の肩を掴んだ。

「稽古場!?稽古場って言ったね君達!?」

「!?が、学院長先生?」

「稽古場が犯人なんだね!?そうなんだね!?」

「は、犯人…?」

図書室に本を返しに来ただけなのに、血眼になった学院長に捕まり、凄まれ。

可哀想に女子生徒達は、泣きそうになっていた。

二人にとっては、何が何だか分からないに違いない。

「はいはい、生徒を脅すな」

俺は、シルナを引き剥がした。

ったく、傍迷惑な奴だよ。

「ごめんな、今、学院長情緒不安定なんだ。君ら何も悪くないからな」

シルナを羽交い締めにしながら、俺が代わりに二人に謝った。

「は、はい…」

「このアホは、俺が代わりに後でぶん殴っとくから、もう行って良いよ。本当ごめんな」

「…はい…」

可哀想な二人の女子生徒は、何やら闘牛のように暴れて喚いているシルナを尻目に、怯えながら去っていった。