神殺しのクロノスタシス2

そのことに気づいたのは、学院に帰ってから一週間ほどたった頃だった。

ある日の放課後、シルナは、神妙な顔をしてデスクに肘をついていた。

…何?

なんか負のオーラを感じるんだけど。

近寄らない方が良い気がするので、職員室に逃げよう、と。

くるりと背を向け、学院長室から出ようとしたところ。

「…羽久」

「…」

…呼び止められてしまった。

呼び止められなければ良いなーと思ってたのに。

…呼び止められてしまった。

もう逃げることは出来ないと言うのか。

無用心に学院長室にやって来た者の、逃れられないさだめだと言うのか。

「…何だよ」

「ちょっとこっちに来て…私の話を聞いてくれないかな」

めちゃくちゃ面倒臭そうなフラグが立った。

やっぱり来なきゃ良かった…。

いや、まだ逃げられるか?

「俺、今から明日の授業のじゅん、」

「ちょっとこっちに来て…私の話を聞いてくれないかな」

…駄目そう。

…分かったよ。諦めたよ。聞きますよ。

畜生め。