時が流れる。
歩けるようになって、もっと視野が広がった。
声もよく聞こえる。
目も見える。
でも、私の世界は狭いまま。
屋根と壁に覆われた囲いの外は、何も知らないまま。
寂しくはない。
だって井の中の蛙は、井の中以外の世界を、初めから知らないのだから。
知らない世界を、羨んだりはしない。
だけど愛されたかった。
本能的に、誰かの温もりを求めていた。
だから母親のもとに歩く。抱き締めて欲しい。
でも母親は、私の顔を見るなり、顔をしかめて追い払った。
父親もそう。
近寄るなと、細長い棒みたいなもので突かれる。
自分の兄姉らしき人物も、私には触らない。
触らない代わりに、石や、その辺に散らばっているガラクタを投げつけてくる。
痛い。
何でこんなことをされるんだろう。
私はただ、愛されたい。
私は誰かを愛したい。
そして同じように、誰かに私を愛されたい。
それだけなのに。
どうして皆、私を避けるんだろう?
まるで、気味の悪い化け物を見るような目で…。
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