「マジかよ…。学院が狙われてたのか」

「あぅぅ…。良かった、イレースちゃん達がいてくれて…」

本当にな。

生徒に被害が出てたら、洒落にならんところだった。

イレース達が上手くやってくれたようで、何より。

で。

「ということは…。『カタストロフィ』はもう、二人しか残ってないってことか」

「そうだね」

リーダーのヴァルシーナと…あと、モブが一人。

そして、その残る一人のモブも、俺達がこれから叩きに行こうとしている。

『カタストロフィ』の崩壊も間近だな。

仲間達が、あんなに頑張ってくれたのだ。

俺達も、それに答えないとな。

「エリュティア君が言うには…この辺りにいるはずなんだけど…」

「面倒臭いから、さっさと出てきてくれねぇかな…」

「いや、そんな都合良く向こうからは…」

「貴様ら、イーニシュフェルト魔導学院の魔導師だな」

…ん?

聞き覚えのない声がして、俺達は揃って振り返った。

そこには、いかにもという風に杖を持った青年。

…そんな都合良く…。

…あれ?

「もしかして…あの、間違ってたら済みませんけど…」

シルナが、おずおずと尋ねた。

人に道聞くみたいに。

「…『カタストロフィ』の方ですか?」

いやそんなまさか。きっとよく似た人違いに違いな、

「いかにも。『カタストロフィ』の一翼、名をシルヴェスタ」

「…」

「…本当に都合よく来ちゃったよ…」

向こうは、多分めっちゃ真面目なんだろうけど。

俺達からしたら、拍子抜けして、これから戦闘が始まるとは、思いもよらなかった。