クィンシーは、明らかに怒っていた。
「お前らは逃げるだけかよ!えぇ!?」
さっきまで、クィンシーの標的は私だけだった。
しかし今は、天音さんもうざったくなったようで。
天音さんにも、クナイの雨が降っていた。
だが、天音さんは、ただ回復魔法しか使えない魔導師ではない。
れっきとした、聖魔騎士団魔導部隊の大隊長なのだ。
怒りのせいで、精度が落ちたクナイを避けることくらい、彼には容易いことだった。
そして、私にとっても。
思い通りに行かない戦況に、クィンシーは完全に頭に血を上らせていた。
とにかくクナイを当てようと必死。
まるで戦局が見えていない。
これなら、こっそりやらず、堂々とやってもバレなかったかもしれない。
そして、ついに。
「イレースさん!出来ました!」
最後の一つを配置した天音さんが、私に向かって叫んだ。
よし。
私は逃げ続けるのをやめ、クィンシーの前に立った。
「…あなたには、鉄槌を下して改心させるつもりでしたが」
「あぁ!?何言ってんだよババァ!」
「…あなたは最早、更正不可能と見ました。だから…」
「ぐじゃぐじゃ言ってんじゃねぇ!そっちから来ないなら、こっちが…」
「あの世で、己の愚かさを恥じなさい」
私は杖を掲げ、その魔法を起動させた。
「お前らは逃げるだけかよ!えぇ!?」
さっきまで、クィンシーの標的は私だけだった。
しかし今は、天音さんもうざったくなったようで。
天音さんにも、クナイの雨が降っていた。
だが、天音さんは、ただ回復魔法しか使えない魔導師ではない。
れっきとした、聖魔騎士団魔導部隊の大隊長なのだ。
怒りのせいで、精度が落ちたクナイを避けることくらい、彼には容易いことだった。
そして、私にとっても。
思い通りに行かない戦況に、クィンシーは完全に頭に血を上らせていた。
とにかくクナイを当てようと必死。
まるで戦局が見えていない。
これなら、こっそりやらず、堂々とやってもバレなかったかもしれない。
そして、ついに。
「イレースさん!出来ました!」
最後の一つを配置した天音さんが、私に向かって叫んだ。
よし。
私は逃げ続けるのをやめ、クィンシーの前に立った。
「…あなたには、鉄槌を下して改心させるつもりでしたが」
「あぁ!?何言ってんだよババァ!」
「…あなたは最早、更正不可能と見ました。だから…」
「ぐじゃぐじゃ言ってんじゃねぇ!そっちから来ないなら、こっちが…」
「あの世で、己の愚かさを恥じなさい」
私は杖を掲げ、その魔法を起動させた。


