俺は慌ててベリクリーデを庇い、背中に押しやった。
心臓を貫かれたサディアスは、そのままばたり、と前のめりに倒れた。
サディアスの後ろにいたのは…。
「お前…。ヴァルシーナとかいう、『カタストロフィ』のリーダーか」
「そうだ」
認めやがった。
自分の部下を、平気で殺したことさえも。
「こいつは、お前の言う『あるべき世界』の為に命を懸けた。それなのにお前は、その部下を自分で殺すのか」
いかに、捕らえられて情報を吐かされるのが面倒だとはいえ。
自分の部下を殺すことに、何の躊躇いもないのか。
「役目を果たせぬ部下など、仲間でも何でもない」
ヴァルシーナは、きっぱりと言ってのけた。
…この、鬼女め。
「で、どうする?サディアスに代わって、お前がベリクリーデを拐っていくのか?」
「それをするのは、私ではない」
…何?
俺が問い掛ける前に、ヴァルシーナは、もう用済みとばかりに消えていなくなった。
…任務失敗した部下の始末の為だけに、来たってのか。
…随分と、立派なリーダーじゃないか。
「…ジュリス、怒ってるの?」
「…あぁ」
「ごめんなさい」
「いや、お前に怒ってるんじゃなくてな…」
それは八つ当たりと言うものだ。
そうじゃなくて。
「自分の仲間を、あんなに簡単に切り捨てる組織に…未来はない」
ヴァルシーナは負ける。
俺はそのとき、そう確信した。
心臓を貫かれたサディアスは、そのままばたり、と前のめりに倒れた。
サディアスの後ろにいたのは…。
「お前…。ヴァルシーナとかいう、『カタストロフィ』のリーダーか」
「そうだ」
認めやがった。
自分の部下を、平気で殺したことさえも。
「こいつは、お前の言う『あるべき世界』の為に命を懸けた。それなのにお前は、その部下を自分で殺すのか」
いかに、捕らえられて情報を吐かされるのが面倒だとはいえ。
自分の部下を殺すことに、何の躊躇いもないのか。
「役目を果たせぬ部下など、仲間でも何でもない」
ヴァルシーナは、きっぱりと言ってのけた。
…この、鬼女め。
「で、どうする?サディアスに代わって、お前がベリクリーデを拐っていくのか?」
「それをするのは、私ではない」
…何?
俺が問い掛ける前に、ヴァルシーナは、もう用済みとばかりに消えていなくなった。
…任務失敗した部下の始末の為だけに、来たってのか。
…随分と、立派なリーダーじゃないか。
「…ジュリス、怒ってるの?」
「…あぁ」
「ごめんなさい」
「いや、お前に怒ってるんじゃなくてな…」
それは八つ当たりと言うものだ。
そうじゃなくて。
「自分の仲間を、あんなに簡単に切り捨てる組織に…未来はない」
ヴァルシーナは負ける。
俺はそのとき、そう確信した。


