神殺しのクロノスタシス2

「…」

それが、あの時代から今に至るまで、生き永らえてしまった俺の、出した結論だ。

だからシルナ・エインリーに協力もするし、聖魔騎士団にも入った。

ここまで生き延びてしまったんだ。

もう充分だろ。俺の命の使い方もな。

だが。

「…少しは話が分かると思ったら…救いがたい愚か者だったようですね」

交渉決裂。

サディアスから放たれる殺気が、ますます高まった。

はいはい、やる気満々って奴ね。

「ならば、あなたを排除します。そして、その女を連れていきます」

「悪いが、それはさせねぇ」

俺は、サディアスに向けて杖を構えた。

しかし。

「いいえ、もう遅い」

「!!」

背後から、禍々しい魔力を感じたと思ったら。

そこには、三つ首の化け物が立っていた。

しかも、三つあるうちの一つの口に、ベリクリーデが咥えられていた。

「あーれー」

しかし、咥えられている本人は能天気。

あれーじゃないんだよ、あの馬鹿!

「ケルベロス。その女を渡しなさい。そして、そこの愚か者の始末を」

不味い。

この女、弓矢使いかと思ったが、そうではなかったのだ。

吐月と同じ、弓矢は見せかけで、本職は召喚魔導師…!

しかもケルベロスと言ったら、冥界でも上位の魔物じゃねぇか!

ベリクリーデを拉致される訳にはいかない。それだけは、絶対に阻止しなくては。

こうなったら。

「動くなよ、ベリクリーデ!そこでじっとしてろ!」

「でも、この子の…犬歯が当たって痛い」

「ちょっと我慢してろ!」

自分が敵の手のひら…ならぬ、口の中に入れられてること、分かってんのか?あいつは。

あぁもう調子狂う!

だが、シルナ・エインリーはいつも、一人で乗り越えてきた。

だったら同じ時代を生きた俺も、意地ってものを見せつけてやらないとな!

まずはベリクリーデ奪還が最優先だ。

俺は魔力で作った剣を片手に、ベリクリーデを咥えている三つ首のうち一つを、断ち切ろうとした。

しかし。

「させません」

「ちっ…」

サディアスの弓矢が、それを阻む。

これが、こいつらの戦闘スタイルか。

ケルベロスとかいう魔物が強力な力を奮い、主であるサディアスが、魔力の弓矢でフォローする。

これじゃ、実質二対一じゃねぇかよ!

吐月を悪く言うつもりはないが、召喚魔導師ってのは、陰険な戦い方しやがる!

さぁ、ジュリス・レティーナ。

ここから、どうやって逆転しようか?