「…おかあしゃま、いたいいたいなの?」
「え?」
私は、驚いて膝の上に乗っている娘に目をやった。
「おかあしゃま、いたいいたいの顔してる」
「…そうですか?」
いけない、いけない。
これは大人が解決すべき問題であって、子供…アイナ…には関係ない。
私はアイナの頭を撫で、優しく手櫛で髪をといてやった。
「大丈夫ですよ。お母様は、何処も痛くありませんから」
笑顔でそう答えると、アイナは安心したのか、パッと顔を明るくさせた。
アイナがいてくれて、良かった。
不甲斐ない自分の、気持ちが紛れるから。
こんな大事なときに、自宅でのんびりと過ごしていることしか出来ない自分が、情けなくて仕方ない。
皆が戦っているときに…。私一人だけ、何もせず安全な場所で、娘と戯れているだけなんて…。
勿論、お腹の子のことは愛している。
それとこれとは、話が別だ。
この子を身ごもらなければ、私も戦えたのに、とは思わない。
こんな状況だからこそ、生まれてくるであろう子のことが、いとおしくて堪らない。
どうか、この子が生まれる頃には、血生臭いことは全て終わっていますように…。
私はそんな願いを込めて、可愛いアイナの頭を撫でてやった。
アイナには、何の心配もさせたくない。
これは、私達大人が背負う問題なのだから…。
…そのときだった。
「薄汚いアルデン人が、生意気にも人並みの生活をしているようだな」
「!!」
突然背後から聞こえた声に、私は瞬時に振り向いた。
「え?」
私は、驚いて膝の上に乗っている娘に目をやった。
「おかあしゃま、いたいいたいの顔してる」
「…そうですか?」
いけない、いけない。
これは大人が解決すべき問題であって、子供…アイナ…には関係ない。
私はアイナの頭を撫で、優しく手櫛で髪をといてやった。
「大丈夫ですよ。お母様は、何処も痛くありませんから」
笑顔でそう答えると、アイナは安心したのか、パッと顔を明るくさせた。
アイナがいてくれて、良かった。
不甲斐ない自分の、気持ちが紛れるから。
こんな大事なときに、自宅でのんびりと過ごしていることしか出来ない自分が、情けなくて仕方ない。
皆が戦っているときに…。私一人だけ、何もせず安全な場所で、娘と戯れているだけなんて…。
勿論、お腹の子のことは愛している。
それとこれとは、話が別だ。
この子を身ごもらなければ、私も戦えたのに、とは思わない。
こんな状況だからこそ、生まれてくるであろう子のことが、いとおしくて堪らない。
どうか、この子が生まれる頃には、血生臭いことは全て終わっていますように…。
私はそんな願いを込めて、可愛いアイナの頭を撫でてやった。
アイナには、何の心配もさせたくない。
これは、私達大人が背負う問題なのだから…。
…そのときだった。
「薄汚いアルデン人が、生意気にも人並みの生活をしているようだな」
「!!」
突然背後から聞こえた声に、私は瞬時に振り向いた。


