「…」

学院長室に帰って。

シルナは、べたーっと机に突っ伏していた。

…まぁ、あんなん見せられたらな。

「…私もナジュ君のスタイルで行こうかな…」

とか呟いてる。

「お前は無理だろ…」

あれは、ナジュだから出来るのだ。

お前、生徒が「ここ分からないんです…」って寄ってきたら、手取り足取り、分かるまで説明してあげるだろ。

ナジュだったら、多分。

生徒が「ここ分からないんです…」って寄ってきたら、真面目な顔して、「僕も分からないんです」って答えるだろうな。

お前、あいつを教師にして、本当に良かったのか?

まぁ、もう後の祭りだが。

そりゃあんな自由なスタイルで授業やってたら、生徒にウケるわな。

シルナとはまた別の意味で、生徒に好かれるタイプの教師だ。

「シルナ派…。誰か…シルナ派の生徒は…」

「諦めろ。シルナ派はいない」

「あうぅ…」

何でシルナ派がいないのか、こいつは分かってないようだが。

心配しなくても、生徒達はシルナという教師を心から信用してるよ。

いちいち派閥なんて作らなくても、な。