神殺しのクロノスタシス2

「全て貴様の責任ではないか…!」

「お前が計画を台無しにしたんだ。お前が責任を取れ!」

「…」

さっきから、こいつら。

責任押し付けたがり連中め。

言わせておけば。

「…あなた達、何か勘違いしてません?」

「何…?」

何じゃないよ。

何はこっちの台詞だ。

こいつら、散々揚げ足取りみたいに僕を責めるけどさ。

「僕は、『カタストロフィ』のメンバーに入ったつもりはありませんよ。僕達、いつから仲良しグループになったんですか?」

「…!」

青天の霹靂、みたいな顔してんじゃないよ。

僕があんたらの計画とやらに、命捧げてるとでも思ってるのか。

とんでもない。

「そんなに僕が目障りなら、協力するのやめても良いんですよ。いつでも構いませんよ、僕は。責任取って、クビにでもしますか?」

「…お前…」

「僕はあなた方の計画なんて、ハナからどうでも良い。ただ利害が一致してるから、協力してあげてるだけです」

僕は、こいつらのことを自分の仲間だとは思ってない。

これっぽっちも思ってない。

こいつらの崇拝や信仰など、糞ほどもどうでも良いのだ。

ただ、僕の目的の過程において、協力すればメリットがあると判断したから、共に行動しているだけで。

こちとら、慈善事業やってるんじゃないんだよ。

そんなに僕が気に入らないなら、今すぐ僕はここを出ていっても良い。

それであんたらの計画が成功しようと、失敗しようと、それは僕の知ったことではない。

まぁ、計画が成功してくれた方が、僕にとっては都合が良いのは事実だ。

だからこそ、共に行動しているだけで。

僕は、こいつらのお仲間になったつもりはない。

「大体、あなた達何もしてないじゃないですか。僕に全部押し付けて」

「…!何を…」

「『禁忌の黒魔導書』を盗み出す手助けをしたのは誰です?あのシルナ・エインリーの観察眼をすり抜けて、学生を演じながら情報収集してる間、あなた達、何かやりました?」

この際だから、はっきり言ってやろう。

それで袂を分かつと言うなら、別に構わない。

「僕がいないで、計画を達成出来るつもりなんですか?」

「…!貴様…!」

パーシヴァルが、僕の胸ぐらを掴まんばかりに立ち上がった。

お、何だやる気じゃないか。

受けて立ってやろうか?

この僕に勝てると思っているのなら。

しかし。

「…やめろ。お前達」

この場でただ一人冷静だった、『カタストロフィ』のリーダー。

ヴァルシーナが、静かに…そして、威圧的に口を開いた。