結局。
チョコケーキは、シルナに譲ってやった。
武士の情けって奴だ。
生徒に遠慮させて食うチョコケーキは美味いか。
ま、俺は何のケーキでも良いし。
「あ~。美味しいねぇケーキ。ねぇニーナちゃん」
「は、はい…」
「私このお店お気に入りでねぇ。よく行くんだよ。二日に一回は行ってる」
行き過ぎだろ。
常連客か。
「ケーキが有名なお店なんだけど、意外にマカロンが美味しいんだよ。これ、豆知識ね」
今年一番要らない豆知識をありがとう。
「は、はぁ…」
ニーナは、戸惑いながらフォークを動かしていた。
が、その手はぎこちない。
無理もないだろう。
いきなり学院長室に呼び出されて、何が嬉しくて、学院長と教師と三人で、ケーキを囲まなければならないのか。
きっと、あのチーズケーキは、少しも味わえてないに違いない。
…早く解放してあげるべきだな。
「シルナ。チョコケーキは良いから」
「へ?」
へ?じゃねぇよ。
「本題に入れよ」
「本題…?ケーキ?」
「ボケてんのか、寝ボケてんのかどっちだ!」
「あ痛!」
後頭部をしばいてやった。
「いつつ…。全く、乱暴なんだから羽久は…」
「全く、ボケてるんだからシルナは…」
「ちゃんと覚えてるよ」
ならさっさと言え。
ケーキ食べるのが目的じゃないんだぞ。
「えーと…。ニーナちゃん」
「は、はい」
「君を呼んだのは、他でもない…君のルームメイトの、シャーロットちゃんのことについてなんだけど」
「…」
シャーロットの名前が出るなり、ニーナは顔を曇らせた。
…明らかに、何かを隠したがってる様子だ。
「シャーロットちゃん、ここ最近、授業に出てないんだよ。君も…そのことは知ってるよね?」
「…はい」
これは認めざるを得ない。
同じ部屋で寝起きしているのだから。知りませんとは言えない。
「一体どうしたのかなぁと思って。ニーナちゃん、何か知ってる?」
「…」
ニーナは、無言で俯いてしまったが。
その表情から、残念ながらあまり良くないことを隠しているのは事実のようだ。
チョコケーキは、シルナに譲ってやった。
武士の情けって奴だ。
生徒に遠慮させて食うチョコケーキは美味いか。
ま、俺は何のケーキでも良いし。
「あ~。美味しいねぇケーキ。ねぇニーナちゃん」
「は、はい…」
「私このお店お気に入りでねぇ。よく行くんだよ。二日に一回は行ってる」
行き過ぎだろ。
常連客か。
「ケーキが有名なお店なんだけど、意外にマカロンが美味しいんだよ。これ、豆知識ね」
今年一番要らない豆知識をありがとう。
「は、はぁ…」
ニーナは、戸惑いながらフォークを動かしていた。
が、その手はぎこちない。
無理もないだろう。
いきなり学院長室に呼び出されて、何が嬉しくて、学院長と教師と三人で、ケーキを囲まなければならないのか。
きっと、あのチーズケーキは、少しも味わえてないに違いない。
…早く解放してあげるべきだな。
「シルナ。チョコケーキは良いから」
「へ?」
へ?じゃねぇよ。
「本題に入れよ」
「本題…?ケーキ?」
「ボケてんのか、寝ボケてんのかどっちだ!」
「あ痛!」
後頭部をしばいてやった。
「いつつ…。全く、乱暴なんだから羽久は…」
「全く、ボケてるんだからシルナは…」
「ちゃんと覚えてるよ」
ならさっさと言え。
ケーキ食べるのが目的じゃないんだぞ。
「えーと…。ニーナちゃん」
「は、はい」
「君を呼んだのは、他でもない…君のルームメイトの、シャーロットちゃんのことについてなんだけど」
「…」
シャーロットの名前が出るなり、ニーナは顔を曇らせた。
…明らかに、何かを隠したがってる様子だ。
「シャーロットちゃん、ここ最近、授業に出てないんだよ。君も…そのことは知ってるよね?」
「…はい」
これは認めざるを得ない。
同じ部屋で寝起きしているのだから。知りませんとは言えない。
「一体どうしたのかなぁと思って。ニーナちゃん、何か知ってる?」
「…」
ニーナは、無言で俯いてしまったが。
その表情から、残念ながらあまり良くないことを隠しているのは事実のようだ。


