「…あいつがここに来ていたなんて…!」
『殺戮の堕天使』に並々ならぬ憎しみを抱いている天音は、悔しげに唇を噛み締めた。
…灯台もと暗し、とは…よく言ったものだな。
本を隠すには図書館に。
魔導師を隠すには魔導学院に、ってか?
笑えないな。
まさかあんなに近くに、仇がいるなんて。
そうと知っていれば、天音は黙っていなかっただろうに。
「あいつを探しましょう。ナジュ・アンブローシア…。あいつは危険です。すぐにでも…」
「…天音。気持ちは分かるが、今は落ち着け」
「落ち着いてなんて…!」
ようやく、仇のもとに辿り着いたのだ。
今すぐその恨みを晴らしたい。それは分かる。
でも。
ナジュ・アンブローシアは、僕達が『禁忌の黒魔導書』の封印を解いたと言った。
僕が、ではない。
僕達が、と言ったのだ。
つまりそれって。
「…仲間がいるんだろうね。他にも」
「…そうだな」
単独犯じゃない。
ナジュ・アンブローシアは、何処かしらの組織に所属し。
スパイとして、イーニシュフェルト魔導学院に忍び込んだのだ。
敵に仲間がいるのなら、迂闊には踏み込めない。
まずナジュ・アンブローシア本人が、あれほどの実力者なのだ。
きっと、彼の仲間も、弱くはないはずだ。
無闇に突っ走るのは、得策ではない…。
「…とにかく、聖魔騎士団に連絡して、応援を頼もう」
「…あぁ」
『禁忌の黒魔導書』を解き放った者を、放置してはおけない。
ついでに言うと、天音の話を聞くに、あいつは人殺しを何とも思ってない。
止めなくては。
それに、人質にされた生徒達の心のケアも必要だ。
「…怪しくなってきたな。雲行きが」
「…」
誰も、言葉を発することが出来なかった。
『殺戮の堕天使』に並々ならぬ憎しみを抱いている天音は、悔しげに唇を噛み締めた。
…灯台もと暗し、とは…よく言ったものだな。
本を隠すには図書館に。
魔導師を隠すには魔導学院に、ってか?
笑えないな。
まさかあんなに近くに、仇がいるなんて。
そうと知っていれば、天音は黙っていなかっただろうに。
「あいつを探しましょう。ナジュ・アンブローシア…。あいつは危険です。すぐにでも…」
「…天音。気持ちは分かるが、今は落ち着け」
「落ち着いてなんて…!」
ようやく、仇のもとに辿り着いたのだ。
今すぐその恨みを晴らしたい。それは分かる。
でも。
ナジュ・アンブローシアは、僕達が『禁忌の黒魔導書』の封印を解いたと言った。
僕が、ではない。
僕達が、と言ったのだ。
つまりそれって。
「…仲間がいるんだろうね。他にも」
「…そうだな」
単独犯じゃない。
ナジュ・アンブローシアは、何処かしらの組織に所属し。
スパイとして、イーニシュフェルト魔導学院に忍び込んだのだ。
敵に仲間がいるのなら、迂闊には踏み込めない。
まずナジュ・アンブローシア本人が、あれほどの実力者なのだ。
きっと、彼の仲間も、弱くはないはずだ。
無闇に突っ走るのは、得策ではない…。
「…とにかく、聖魔騎士団に連絡して、応援を頼もう」
「…あぁ」
『禁忌の黒魔導書』を解き放った者を、放置してはおけない。
ついでに言うと、天音の話を聞くに、あいつは人殺しを何とも思ってない。
止めなくては。
それに、人質にされた生徒達の心のケアも必要だ。
「…怪しくなってきたな。雲行きが」
「…」
誰も、言葉を発することが出来なかった。


