シルナは、顔を真っ青にして、ぶるぶる震えていた。
皆さん、ご覧ください。
イーニシュフェルト魔導学院の学院長が、学校の七不思議にびびってる様を見られるのは、今だけですよ。
「ほ、本当なのかな…?本当にそんな心霊現象が…」
「知らないよ…」
確かめた訳じゃないんだから。
あくまで噂だ。信じたければ信じれば良いが、信じたくないなら信じる必要はない。
と言うか、俺はどうでも良い。
生徒や俺達に実害がないなら、放っておいても良いだろう。
と、俺は思うのだが。
シルナは、そうでもないらしく。
「これは大変なことだよ!もし本当に幽霊が出るんなら、何とかしなきゃ!」
何とかって…。
「…何?霊媒師でも呼ぶの?」
「私や生徒や私が襲われたらどうするの!?今すぐ、何とかしないと!」
自分が犠牲になるのが嫌だってことは、よく分かった。
すると、そこに。
「学院長。これ、午後に届いた郵便物…。…何ですか、そのいつにも増した間抜け顔は」
イレース、容赦なし。
シルナはイレースにすがりつきながら、涙目で訴えた。
「大変なんだよイレースちゃん!」
「何がですか」
「私の学院にね、七不思議が!幽霊が出るって噂があるんだって!生徒の間で話題になってるって!」
と、必死に訴えるも。
イレースの、この白けた顔。
絶対今、「どうでも良い…」と思ってるだろうな。
「どうでも良い…」
ほらな。
「そんなことより、郵便物を」
「そんなこと!?学院に幽霊が出るんだよ!?階段が増えるんだよ!?大変なことじゃないか!」
「はいはいそうですね。良いじゃないですか階段一つくらい。どうせ気づきませんよ」
タフだなー、イレース。
まぁ、人間、いちいち階段の数なんて、数えながら登り降りすることはないからな。
一つくらい増えたり減ったりしたところで、多分気づかない。
「一体何の騒ぎなんですか、これは。この馬鹿な学院長は、今日は何に喚いてるんですか」
イレースは、俺に向かって尋ねた。
本当。何に喚いてるんだろうな、こいつ。
「生徒が言ってたんだよ。イーニシュフェルトに、学校の七不思議があるって…」
「…」
「で、それを真に受けて、こうなってる」
俺は、ぶるぶる震えているシルナを指差した。
イレースはしばし無言で、そして。
冷たくシルナを見下ろし。
「…頭の中、スポンジでも詰まってるんですか?」
「イレースちゃんが酷い!」
正論だイレース。もっと言ってやれ。
皆さん、ご覧ください。
イーニシュフェルト魔導学院の学院長が、学校の七不思議にびびってる様を見られるのは、今だけですよ。
「ほ、本当なのかな…?本当にそんな心霊現象が…」
「知らないよ…」
確かめた訳じゃないんだから。
あくまで噂だ。信じたければ信じれば良いが、信じたくないなら信じる必要はない。
と言うか、俺はどうでも良い。
生徒や俺達に実害がないなら、放っておいても良いだろう。
と、俺は思うのだが。
シルナは、そうでもないらしく。
「これは大変なことだよ!もし本当に幽霊が出るんなら、何とかしなきゃ!」
何とかって…。
「…何?霊媒師でも呼ぶの?」
「私や生徒や私が襲われたらどうするの!?今すぐ、何とかしないと!」
自分が犠牲になるのが嫌だってことは、よく分かった。
すると、そこに。
「学院長。これ、午後に届いた郵便物…。…何ですか、そのいつにも増した間抜け顔は」
イレース、容赦なし。
シルナはイレースにすがりつきながら、涙目で訴えた。
「大変なんだよイレースちゃん!」
「何がですか」
「私の学院にね、七不思議が!幽霊が出るって噂があるんだって!生徒の間で話題になってるって!」
と、必死に訴えるも。
イレースの、この白けた顔。
絶対今、「どうでも良い…」と思ってるだろうな。
「どうでも良い…」
ほらな。
「そんなことより、郵便物を」
「そんなこと!?学院に幽霊が出るんだよ!?階段が増えるんだよ!?大変なことじゃないか!」
「はいはいそうですね。良いじゃないですか階段一つくらい。どうせ気づきませんよ」
タフだなー、イレース。
まぁ、人間、いちいち階段の数なんて、数えながら登り降りすることはないからな。
一つくらい増えたり減ったりしたところで、多分気づかない。
「一体何の騒ぎなんですか、これは。この馬鹿な学院長は、今日は何に喚いてるんですか」
イレースは、俺に向かって尋ねた。
本当。何に喚いてるんだろうな、こいつ。
「生徒が言ってたんだよ。イーニシュフェルトに、学校の七不思議があるって…」
「…」
「で、それを真に受けて、こうなってる」
俺は、ぶるぶる震えているシルナを指差した。
イレースはしばし無言で、そして。
冷たくシルナを見下ろし。
「…頭の中、スポンジでも詰まってるんですか?」
「イレースちゃんが酷い!」
正論だイレース。もっと言ってやれ。


