まず一つ目。
「夜になると、二階の西階段の階段の数が、一つ増えるそうです」
…定番だな。
「えっ、階段増えるの?」
びくっ、とするシルナ。
そんなことで、いちいちびびるな。
「二つ目は?」
「ええと、確か…美術室に飾ってある人物画の目が、赤く光るそうです」
「へぇ…」
これも定番だな。
それなのに。
「目が光るの…?本当に…?」
ぶるぶるしているシルナ。
まぁ、文化祭のお化け屋敷程度で、失神していたくらいだからな。
あのとき生きてて良かった。
「三つ目は?」
「図書室のとある魔導書が、夜になると勝手に本棚から落ちて」
「…」
「その魔導書は勝手に開いて、しかもそのページには、赤い血がべったりと…」
…そんなのあるのか。
曰くのある魔導書など、学院の図書室にはない。
少なくとも、生徒の手に触れるところにはないはずだ。
そういう曰くつきの魔導書は、生徒の目に触れないよう、厳重に封印されている。
とか言いながら、『禁忌の黒魔導書』を盗まれたことがあるのだから、説得力もないが…。
「じゃあ、四つ目は?」
「稽古場に置いてある魔導人形が、勝手に動き出すって話です」
魔導人形が勝手に動く?
そりゃ、魔導人形なら稽古場にいくらでも置いてあるが…。
あの人形達、夜になったら勝手にどんちゃん騒ぎしてるのか。
「五つ目は?」
「五つ目は、これも稽古場です。第二稽古場」
ちょっと小さい方か。
あっちにもなんか出るの?
「深夜の二時に行くと、そこで魔法を練習している生徒の霊が出るそうです」
「へぇ…」
死んでからも魔法の練習とは。
さすがイーニシュフェルトの生徒。大変模範的。
「で、六つ目ですけど…。校舎の裏手に、桜の木があるでしょう?」
「あぁ、あるね」
あっちにはあまり行かないのだが。
お花見会のときの桜は、校舎の表側にある桜だし。
「そこに、首吊り死体の幽霊が出るって」
「ふーん…」
幽霊多いね。
七不思議って、そんなもんか。
「じゃあ七つ目も、幽霊が出る場所があるんだ?」
「いえ、この七つ目だけ、ちょっと特殊で」
七つ目だけ、ちょっと特殊?
「夜になると、二階の西階段の階段の数が、一つ増えるそうです」
…定番だな。
「えっ、階段増えるの?」
びくっ、とするシルナ。
そんなことで、いちいちびびるな。
「二つ目は?」
「ええと、確か…美術室に飾ってある人物画の目が、赤く光るそうです」
「へぇ…」
これも定番だな。
それなのに。
「目が光るの…?本当に…?」
ぶるぶるしているシルナ。
まぁ、文化祭のお化け屋敷程度で、失神していたくらいだからな。
あのとき生きてて良かった。
「三つ目は?」
「図書室のとある魔導書が、夜になると勝手に本棚から落ちて」
「…」
「その魔導書は勝手に開いて、しかもそのページには、赤い血がべったりと…」
…そんなのあるのか。
曰くのある魔導書など、学院の図書室にはない。
少なくとも、生徒の手に触れるところにはないはずだ。
そういう曰くつきの魔導書は、生徒の目に触れないよう、厳重に封印されている。
とか言いながら、『禁忌の黒魔導書』を盗まれたことがあるのだから、説得力もないが…。
「じゃあ、四つ目は?」
「稽古場に置いてある魔導人形が、勝手に動き出すって話です」
魔導人形が勝手に動く?
そりゃ、魔導人形なら稽古場にいくらでも置いてあるが…。
あの人形達、夜になったら勝手にどんちゃん騒ぎしてるのか。
「五つ目は?」
「五つ目は、これも稽古場です。第二稽古場」
ちょっと小さい方か。
あっちにもなんか出るの?
「深夜の二時に行くと、そこで魔法を練習している生徒の霊が出るそうです」
「へぇ…」
死んでからも魔法の練習とは。
さすがイーニシュフェルトの生徒。大変模範的。
「で、六つ目ですけど…。校舎の裏手に、桜の木があるでしょう?」
「あぁ、あるね」
あっちにはあまり行かないのだが。
お花見会のときの桜は、校舎の表側にある桜だし。
「そこに、首吊り死体の幽霊が出るって」
「ふーん…」
幽霊多いね。
七不思議って、そんなもんか。
「じゃあ七つ目も、幽霊が出る場所があるんだ?」
「いえ、この七つ目だけ、ちょっと特殊で」
七つ目だけ、ちょっと特殊?


