──────…僕が避難に遅刻したせいで、罰掃除を課せられることになったのに。

クラスメイトは、少しも嫌な顔はしなかった。

「大丈夫?アンブローシア君」

「心配したんだよ。一人だけいないから」

「突き飛ばされたなんて、災難だったなぁ」

「まぁ、無事だったんだし、訓練なんだから良かったじゃないか」

クラスメイトは、そんな優しい言葉ばかりをかけてくれた。

なんともお優しい生徒を育てていらっしゃるようで、イーニシュフェルトの聖賢者様。

そんなこと言われると、わざと避難しなかった自分に罪悪感を感じてしまうじゃないか。

そう。

僕は別に、突き飛ばされて、足を挫いて避難出来なかった訳じゃない。

皆が避難している隙を見て、わざとその群れから離れたのだ。

「…ふふ」

上手く行って良かった。

これでいつでも、来るときべきが来ても大丈夫ですよ、僕のスポンサー様。