偽りの世界


「はよ、佐伯」

思わず振り返る。

私なんかに

声をかけてくれたのは

杉山だった。

「なんで・・・」

「ん???」

「なんで私に挨拶するの。
私みたいなのは
邪魔なんでしょ??
相手にしないんでしょ??」

自分の世界に入ってしまっていた。

しかもこれでは

昨日言われたことの

繰り返しをしているようにも

思えてきた。

「よくわかんないけど・・・
お前のこと邪魔な存在とも
思ってないし。
相手にしない事もないぞ??」

そして

「だから元気だせ!!
じゃあ、教室で」

笑顔で去っていく杉山を

私は思わず目で追っかけてしまった。