先輩は車の鍵を持ちながら玄関まで歩く。
「何から何まですみません。」
「いーえ。これは飯作ってもらったお礼。」
お礼のつもりで作ったごはんにお礼をされては、私は次何をすればいいのだろうか。
なんてことを考えながら先輩の後ろを歩く。
「じゃあまたな。」
「はい、送ってくれてありがとうございました。」
先輩は家の前まで送ってくれた。先輩の車が見えなくなるまで見送った後、家に入る。
なんだか濃い1日だったな。
先輩とはそんなに関わりが多い方ではなかったけれど、この数日は関わりが多かったな。
家でじっとしていると色々な事を思い出しそうだったので、配信サービスのドラマを見ることにした。
何度も見たことのあるドラマ。
展開もセリフも覚えているところが多いけれど再生ボタンを押す。

