血塗られた悪魔に愛を・・・・・



彼の腕の中は、温かく微かにタバコとムスクが混ざった匂いはどこか懐かしく感じた

「寂しかった・・・・」

聞き取ることもできなくらいの小さな声で私は彼の背中に腕をまわし目を瞑る

彼の心音が私の心を落ち着かせるにはちょうど良かった

「・・・・落ち着いたか?」

耳元で響く彼の低い声が私の全身を駆け巡る

「・・・はい。」

もう少しだけこうしていたいと思う気持ちとは裏腹に彼の温もりは私の体から離れていくと気付いた瞬間、私は指先で彼の服を掴んでしまっていた

「少しだけ、そばにいてもいいですか?」

私がそう言うと彼は黙って私の腕を掴み、歩く

「まだやることがある。ここで待ってろ。」

私をソファーに座らせた彼はそう言うとリビングから出ていく

しばらくすると、彼はブランケットとスポーツドリンクを手に戻ってきて私の膝上にブランケットを掛けて隣に座る

「寒くないか?」

「ありがとうございます。」

「きつかったら寝とけ。」

彼はまた書類に目を通し始める

私は、そんな彼を見ながら私の瞼は自然と下がっていった