血塗られた悪魔に愛を・・・・・

 
先生が部屋から出て行き、私はベットの上で体育座りをして体を丸める

私にとってはこの体勢が一番安全だから

橘家に引き取られてから私は毎日のようにしつけと称して暴力を受けた

両親だけでなく、組員からも殴られることは多かった

体が成長してくると、寝ているところを襲ってくるような奴らもいた

幼かった私は自分の身を守るため、少しでも抵抗できるようにするために、部屋の一番奥で小さく体を丸めて寝るようになった

眠れなくなってからも、幻覚や幻聴が起きたときは目と耳を塞ぎこの体勢で耐える

しばらくすると、部屋の扉が開ける音がした

「寝とけっつっただろーが。」

顔をあげると今朝見たあの人の姿

なぜ?

この時間なら、普段は仕事のはずなのになんでこの人がここにいるんだろう?

「俺がなぜここにいるのか不思議みたいだな?」

なぜ、私の考えが分かった?

「顔に出てるぞ。お前。」

嘘だ、そんなはずない

とにかく今は、冷静にならないと

「お仕事は行かなくていいんですか?」

「あ?俺が仕事に行けないのはお前が原因だ。」

「わたしですか?」

「俺はお前を看病するように言われている。お前の熱が下がらないと俺も仕事に行けない。だからさっさと寝て、治せ。」

いやいやありえないでしょ

東日本1の若頭が私みたいな小娘を看病だなんて

だいたい、あの人に命令できる人って組長しかいない

組長には会ったこともないのに、私を看病するように命令する?

いやしないでしょ。

もしかして・・・・私の目的がばれてる?

いや、それはない

もしそうなら、私はすでに死んでいる

目的がばれていないとしたらなぜ?

あの人に私が看病されている?

私が真実を知るのは少し先のこと・・・・