SIDE:碧衣
家を出るとマンションの下には見覚えのある車が止まっていた
「お久しぶりです。碧衣様」
私のような小娘に丁寧にお辞儀をするのはご主人様の側近、小鳥遊 涼
この人だけはあの家の中で唯一、私の名前を呼ぶ
ほかの人から名前を呼ばれることはない
小鳥遊は私が車に乗り込んだのを確認して、運転席に乗り込んだ
「本日の案件です。」
小鳥遊が渡してきた紙に目を通す
その紙には、ターゲットの家族構成などありとあらゆる情報が細かく記載されていた
「このまま向かうの?」
「はい。そこのカバンに必要なものは入ってます。」
そう言われ私の横にあるカバンを開ける
カバンの中には2丁の拳銃とサバイバルナイフが1本
私はそれを身につける
久しぶりの仕事に胸の鼓動が早くなるのを感じる
翌日・・・1つの組事務所が1人の殺し屋によって潰されたと裏社会では話題になった
人はみなその殺し屋をLuciferと呼んだ
