SIDE：綾人

碧衣ちゃんが翔貴の家にきてから1ヶ月がたっても2人の間は何も変わらない

翔貴は週に3、4回家に帰っているが、家では食事は取らないし、婚約者の碧衣ちゃんがいるにもかかわらず普通に女も抱く

碧衣ちゃんはそのことに気づいているのかいないのかわからないが、翔貴が帰って来るたびに玄関までお出迎えしてくる

それなのに翔貴はそれをフルシカト

さすがの俺も、碧衣ちゃんが可哀想になってきた

「なぁ、いつまで碧衣ちゃんのこと無視すんの？」

「あいつが出ていくまで。」

「いやいや、出ていかないでしょ。家同士で決まった結婚なんだし。」

「もうしばらくしたら、親に泣きついて結婚も白紙に戻してくるだろう。」

翔貴のいうとおり、人は人から無視されるのに耐えられなくてっくるもの

ましてや、碧衣ちゃんはかなりでかいヤクザの娘

周りの奴らから無視されることなんてなかっただろう

ただ、このときの俺はまだ、碧衣ちゃんのことがなにもわかっていなかった