車に乗り、スーパーまで向かってほしいと伝えると嫌そうに返事をして車を走らせる

「なんで、この俺が女の送迎なんだよ」と本人は私に聞こえなくらいの声の大きさで文句を言っていたが、残念ながら耳が良い私にはすべて聞こえている

彼の文句が聞こえないふりをしているといつものスーパーにつく

「すみません。私、いつも買い物に時間がかかってしまうんです。それに今日は1人でゆっくり買い物がしたいのでこれでどこかで時間を潰しておいてください。」

そう言いながら、財布から一万円札を数枚出し、彼に渡す

彼はわかりましたといいながらお金を受け取ると、すぐに走り去っていった

車が近くにいないことを確認してタクシーを拾った

タクシーを降り昼間の繁華街の裏路地を歩くと見てくるのはとあるBAR

今は営業時間外なので扉の近くにある電子ロックに暗証番号を入力して中に入る

店の中は真っ暗で何も見えないが壁伝いに店の奥にいく

壁を触ると電子ロックが出現し、暗証番号を入れると壁が開く

壁の奥は、部屋になっており私はそこに住んでいる住人に声を掛ける

「久しぶりね。Zeus(ゼウス)。」

「そうだな。Odin(オーディン)。」

Zeusとは世界No.１の情報屋であり、私の師匠でもある

本名、年齢などすべてが謎につつまれた男

「今日は何用だ？」

「そろそろ動こうと思うの。だから少しパソコンを貸してもらえる？」

「それなら、奥の部屋にお前が使ってたパソコンがあるからそれを使え。」

「ありがとう。」

「俺の協力が必要ならいつでも言ってくれ。」

「ウフフ・・・・その言葉は嬉しいけど遠慮しておくわ。Zeusの報酬は高いから私には払えない。Zeusの方こそ助けが必要ならいつでも言ってね。」

「あぁ」