碧衣side
「おかえりなさいませ。」
この家に来て1週間がたつが、私たちの間に会話はない
翔貴さんは帰ってきてすぐに自分の書斎へと行ってしまう
私が用意した食事にも手を付けない
それもそうだ
協力関係といっても、もとは敵対していた組織の娘が作った料理なんて食べるはずない
それでも、毎日、食事は作る
なぜかって、もうこれは習慣みたいなもの
あの家にいるときから、料理に洗濯、掃除など家のことはすべて1人でやってきた
あの家と比べたらここはまだ楽
毎日、当たり前のようにやっていたことが私の正体を知られる一歩になってたなんてこのときの私は全く気づいていなかったのだ
この家に来て1ヶ月も経てば大体のことがわかってきた
翔貴さんが帰ってくるのは週に3〜4回
帰ってくるのはだいたい深夜
そして女物の香水の匂いがするときもある
男だから溜まるもんは溜まるから仕方ない
私はそれに気づかないふりをして過ごす
私はというと週に2〜3回スーパーやドラッグストアなどに行く
買い物に行くときは斎藤さんに連絡をして車を用意してもらう
今日もいつものように買い物行くと連絡すると車で待っていたのはいつもとは違う人だった
