愛しい君へ


「看護士さんには、面会で藤崎玲司って人が来たら通さないでくださいってお願いしてあるから。」

わたしの言葉に匡は「そうか。」とは言ったが、「あの野郎、油断も隙もねーな。」と怒りは収まりそうにもなかった。

と思えば、わたしの側に来てしゃがみ込み、わたしと同じ目線になると「でも、ひよりと赤ちゃんが無事で良かった。」とホッとしたように言い、わたしの頭を撫で、それからお腹にも手をあてた。

「ごめんね、心配かけて。」
「ううん、ひよりが謝ることない。」

匡はそう言うと、わたしの手を握りしめ「あー、本当に2人が無事でいてくれて、ホッとした。」と安堵の言葉を漏らしたのだった。


そして、次の日には、五藤のおじさんとおばさんも面会に来てくれた。

「おじさん、その節はお世話になりました。ありがとうございます。」
「なーに、大したことないしてないよ。それより、ひよりちゃんも赤ちゃんも無事で良かった。」

おばさんは「何か必要なものがあれば言ってね。」と言ってくれ、2人共、わたしを本当の娘のように心配してくれたことに感謝した。

匡はというと、毎日仕事帰りに面会に来てくれた。
残業になって面会時間が少ししか無くても、それでも会いに来てくれていた。

わたしが「無理して毎日来なくても大丈夫だよ?」と言うと、匡は「無理なんてしてないよ?ひよりと赤ちゃんに会いたくて来てるんだ。」と優しく微笑んだ。

絶対、仕事で疲れてるはずなのに、必ず会いに来てくれる匡にわたしの心はどんどん匡に惹かれていっていくのだった。