愛しい君へ


そして、その数日後。
玲司さんから怒りのLINEが届いた。

{ 離婚ってどうゆうことだ?!)

どうやら、玲司さんの元に離婚届が届いたらしい。

{ 今帰って来れば許してやる。)
{ その子どもを産むのも許してやる。)
{ ひよりは俺といた方が何不自由なく暮らせて幸せだろ?)
{ お前以上の女が見つからない。だから帰って来い。)

自分勝手な言葉ばかりが並ぶLINEにわたしは溜め息が出た。

わたしは、玲司さんに一度だけ返信することにした。

( あなたといて幸せだと思ったことは一度もありません。}

そう送ったあと、わたしはまだ左手薬指に結婚指輪をはめていたことに気付く。

わたしは結婚指輪を外すと、遠くに投げてやりたい気持ちを抑え、匡に五藤のおじさんを通して玲司さんに返しておいて欲しいとお願いした。

そしてわたしは、玲司さんのLINEをブロックしたのだった。


妊娠6ヵ月にも入ると、だいぶ妊婦らしい体型になってきていた。

モゴモゴとお腹の中で動く胎動も感じられるようになり、「あ、動いた。」と言うと、匡が「え!」と言いながら飛んできて、わたしのお腹に手をあてる。

しかし、匡が手をあてると赤ちゃんの動きが止まってしまい、「俺、嫌われてるのかなぁ?」と凹む匡が可愛くて仕方なかった。

「おーい、おチビちゃーん。嫌いにならないでね〜!」

わたしのお腹に向かって話し掛ける匡。

今、わたしはとても穏やかに暮らせている。
あの毎日孤独で奴隷のようだった日々がまるで嘘だったかのように。

しかし、玲司さんからされた事、言われた言葉で傷付いた事は一生忘れることはないだろう。