愛しい君へ


「色々あって疲れただろ?俺のベッド使っていいから、身体休めな。」

匡はそう言うと、「なぁ?疲れたよなぁ?」とわたしのお腹にも話し掛けた。

「わたしはソファーでいいよ。」
「だーめ!妊婦をソファーで寝かせられるわけないだろ。兄ちゃんの言うことを聞きなさい!」

匡は、まるで兄が妹を言い聞かせるように言った。

わたしは立ち上がると「わかりました。じゃあ、お言葉に甘えてベッドを使わせていただきます。」と言い、それから「でも、もうお兄ちゃんだとは思ってないから。」と言うと、匡のベッドへと向かい、布団の中に潜り込んだ。

言っちゃった。
お兄ちゃんだとは思ってないって。

わたしは匡の布団の匂いを大きく吸い込むと、ゆっくりと吐き出した。

匡の匂い、、、落ち着く。

わたしは匡の匂いに包まれながら、久しぶりに落ち着いて眠りに落ちた。

わたしのスマホには、玲司さんからの何十件もの着信とLINEが溜まりに溜まっていたのだった。