愛しい君へ


「だから、逃げなきゃって、、、このままだと、この子が奪われちゃうから、、、。」

わたしはそう言いながら泣けてきた。

すると、匡はわたしの頭を撫で、そのままわたしを抱き寄せた。

「俺を頼ってくれて、ありがとう。ずっと待ってた、ひよりからの連絡。、、、会いたかったよ。」

わたしは匡の言葉に更に涙が溢れ出し、そして「わたしも、ずっと匡に会いたかった、、、。」と匡にしがみつくように抱き締め返した。

匡の腕の中は温かかった。

人の温もりって、こんなに温かくて安心するものだっけ。
いや、匡だからこそ、わたしには温かく感じるのかもしれない。

「しばらく、ここに居てもいい?」

わたしは匡の腕の中で訊いた。

「しばらくだなんて言わないで、ずっとここに居ればいいよ。」
「でも、それじゃあ、匡に迷惑かけちゃうよ。」
「迷惑だなんて思うわけないだろ。まずは、第一に自分の身体と赤ちゃんの心配をしなさい。」

そう言いながら、匡はわたしを放すと、わたしのお腹に視線を落とした。

そして「お腹、撫でてもいい?」と訊いた。
わたしは頷くと、匡の手を取り、自分のお腹にあてた。

匡は優しくわたしのお腹を撫でると、「ここに赤ちゃんが居るんだなぁ、、、不思議だ。」と言い、優しい表情を浮かべていた。

玲司さんはわたしのお腹に見向きもしたことがないのに、匡はわたしのお腹に命が宿っていることを感じようとしてくれた。

わたしは、それが凄く嬉しかった。