愛しい君へ


匡は助手席のドアを開けてくれると、わたしを助手席に乗せてくれた。

そして、わたしの大きな荷物を見ると「後ろに乗せようか?」と言ってくれた。

「うん、お願い。でも、これだけは自分で持ってる。」

わたしから荷物を受け取った匡は、「それって、、、。」と言った。

わたしが自分で持っていたかったのは、匡に買ってもらったツガイのフクロウの置き物だった。

「わたしの宝物だから。」

わたしがそう言うと、匡は微笑み、「閉めるぞ。」と言ったあとで助手席のドアを閉めた。
そして、後部座席にわたしの荷物を乗せると、運転席へと乗り込んだ。

車内には、今日も清水◯太の"花束のかわり◯メロディーを"が流れていた。
しかし、今日はいつもより音量が小さめだった。

「匡の車に乗ると、いつもこの曲流れてるよね。」

わたしがそう言うと、匡は「ひよりが乗った時にしかかけてないよ。」と言い、車を発進させた。

わたしは匡の言葉に「えっ?」と思いながら、匡の家に着くまでその曲の歌詞に耳を傾けていたのだった。