愛しい君へ


それから専業主婦になったわたしは、家事をやりながら、自分のお腹が徐々に膨らんでくるのが嬉しくて、鏡の前で横向きになってお腹を眺めたりしながら過ごした。

妊娠4ヵ月目に入ると、悪阻もだいぶ落ち着き、食べ物が食べられるようになってきた。

玲司さんは相変わらず、夜の営みをやめようとはしなかったが、以前は毎日だったのが週に3日程に減ってきた。

「なんか乳首が黒くなってきたんじゃないか?お腹も出てきたし、もっと女らしく居てくれよ。」

そう言い、わたしの身体の変化に不満を感じている様子だった。

そんなこと言われても、、、妊娠したんだから、仕方ないことのないことなのに。

わたしはいつしか、玲司さんを敵のような存在として見るようになっていた。
健診に行ったことを報告しても「性別分かったか?」しか聞いてこない玲司さん。

エコー写真にも興味を示さず、全く我が子の姿を見ようとしない。

わたしはこの人と、この子を育てていかなきゃいけないの?

わたしの中では、ある漢字二文字が思い浮かぶようになっていた。


そして、5ヵ月健診の時だった。

先生が「あ、性別分かったけど、どうする?聞く?」と言い出した。

わたしはその言葉にドキッとした。
ついに、性別が分かる時がきてしまった。

「はい、知りたいです。」

すると、先生はエコー画面をわたしの方に向け、説明してくれた。

「ここがおまたなんだけど、突起がなくて木の葉の形が見えるから、ほぼほぼ女の子で確定かな。」

女の子、、、
先生の言葉を聞いた瞬間、玲司さんの「女はいらない。」と言う言葉が頭を過ぎったのだった。