愛しい君へ


妊娠したと分かっても、玲司さんは夜の営みを無くそうとはしなかった。

「お腹に赤ちゃんがいるので、優しくしてください。」

そうお願いしても、「そんなの関係ない。ひよりは、僕を満たす事が妻としての努めなんだよ?」と言い、相変わらずの激しさでわたしの中を突いてくる。

わたしはお腹を守ろうと、お腹に手を当てようとしたが、玲司さんは「この手は邪魔だ。」と言い、両腕を押さえつけ自分の快楽の為だけに腰を動かしていた。

赤ちゃんは大丈夫だろうか。

わたしはそのことばかりが心配で、「早く終われ」そう願いながら耐えるのだった。


そして妊娠が分かってから、悪阻に耐えながら仕事をこなす毎日。

しかし吐き気のせいで身体が食べ物を受け付けず、炭酸水しか飲めない状態だった為、わたしはある勤務時間に倒れてしまったのだ。

気が付けば、病院で点滴を受けていた。

ぼんやりとしながら天井を見上げていると、看護士さんがやってきて「目覚めましたか?悪阻酷いの我慢してたんですね。」と言ってくれた。

そう言われ、泣けてくるわたし。
最近、何だか泣き虫になった気がする。

「さっきご主人から連絡があって、帰りはタクシーで帰るようにって。奥さんが倒れたのに迎えに来ないだなんて、、、仕事よりも命の方が大切なのに。」

点滴の確認をしながら、看護士さんがボヤくように言った。

「そうゆう人なんです、、、。」

わたしはそう言うと、匡のことを思い浮かべていた。

もし匡だったら、心配してすぐに駆け付けてくれてただろうなぁ。