愛しい君へ


わたしは次の健診の予約を取ると、タクシーで帰宅した。

そしてソファーに座り、バッグから先程貰ってきたエコー写真を取り出し、何度も見つめる。

まだお腹の中に赤ちゃんがいる実感はないが、お腹を撫でると愛おしさが増してくると共に、今まで感じていた孤独感が消え去っていくのを感じた。

わたしはスマホを取り出すと、エコー写真をカメラで撮った。
それから、写真を添えて一番に匡に報告をした。

( 赤ちゃんを授かりました。}

すると、仕事中のはずの匡からすぐに返信が返ってきた。

{ おめでとう!身体大事にな。)

その言葉の下には、手を上げて喜ぶクマのスタンプがあった。

わたしは匡からの返信に安心したのか、エコー写真を抱き締めたまま、いつの間にかソファーで寝落ちしてしまっていたのだった。


そして、目が覚めたのは、玄関のドアが開く音が聞こえてからだった。

わたしは慌てて、エコー写真をバッグにしまった。

何時間寝てしまっていたのか分からないが、リビングが真っ暗の状態でわたしは玄関まで玲司さんをお出迎えに行った。

玲司さんは玄関と廊下の電気を点けると、「どうして電気を点けてないんだ。」と不満そうに言った。

「ごめんなさい。帰宅してから、いつの間にかリビングで寝てしまっていて、、、。」
「今日、仕事を早退したそうだな。早退して、どこに行ってた?」
「あ、そのことで玲司さんにお話が、、、。」

玲司さんは不満そうな表情のままバッグをわたしに渡し、上着を脱ぎながら「何だ?」と言った。