愛しい君へ


先生の横にはエコーが映る画面があり、エコーが入ると白黒のわたしの子宮内を映し出していた。

先生は機械を操作し、何か長さをはかっているようだった。

「うん、妊娠6週に入ったところかな。おめでとうございます。」

先生はそう言うと、カーテンの向こう側でニッコリ微笑んでいるのが見えた。

わたしは「ありがとうございます。」と言うと、何だか気持ちがほっこりした。
"おめでとうございます"の言葉がこんなに嬉しかったことがあっただろうか。

「何枚かエコー写真撮っておくからね。」

そう言うと、先生は何度かカチッとボタンを押し写真を撮ってから、「はい、いいですよぉ。」と言い、手袋を外しながら退席して行った。

そこに看護士さんがやってきて「お疲れ様でしたぁ。」と、わたしの股を拭いてくれ、椅子を下げてくれた。

「支度が済んだら、カーテンから出てきてくださいね。」
「はい。」

わたしは椅子から下りると、下着を履き、支度を済ませてカーテンから出た。

すると、先生が待っていて「どうぞ。」と椅子に座るよう促してくれた。

わたしが先生の前にある椅子に腰を掛けると、先生はさっき撮ったエコー写真をわたしに差し出した。

「この丸くなってるのが赤ちゃんです。ちょっと人間らしくなってきている段階かな。」

わたしはエコー写真を受け取ると、エコー写真に映る赤ちゃんを見つめた。
この子が、、、わたしのお腹に居るんだ。

「今のところ元気に育ってくれていますよ。」

先生の言葉を聞きながらも、わたしはエコー写真から目を離すことが出来なかった。