愛しい君へ


「ところで、お兄さん。匡さんでしたっけ?ご職業は?」

玲司さんはまるで喧嘩を売っているような言い方で匡に微笑みかけながら言った。

匡は、玲司さんを睨み付けるように「SEです。」とだけ答えた。

「ほう、システムエンジニアですか。素晴らしいですね。」

態度の良くない匡に対し、五藤のおばさんは慌てて「ちょっと、匡。あんた態度悪いわよ。」と小声で注意していた。

それでも匡は態度を改めることなく、最後まで玲司さんを睨み続けていた。


顔合わせが終わると、「それでは、失礼しますよ。」と言い、一番最初に退席して行った会長。

続いて玲司さんも帰ろうとしたが、わたしは玲司さんに「少しおじさんとおばさんと話してもいいですか?あまり会えることがないので。」とお願いをした。

玲司さんは「手短に頼むよ。車で待っているからね。」と言い、退席して行った。

わたしは五藤のおじさんとおばさんに駆け寄ると「おじさん、おばさん久しぶり〜!」とついはしゃいでしまった。

「いやぁ、ひよりちゃんが社長夫人になるなんてなぁ!」

そう言い、嬉しそうに笑う五藤のおじさん。
おばさんも「本当にね!良かったわね、幸せになってね。」と言ってくれた。

幸せかぁ、、、

そう思いながら、わたしは「うん。」と返事をした。