「先輩帰ろ」
「うん」
「らいちゃんバイバーイ」
「朱里とあかねバイバーイ!」
体育祭が終わり、教室に戻りショートホームルームを終え、朱里がいつも通り教室に迎えに来てくれた。
いつもはニコニコと楽しそうな朱里だが、今日はどこか元気がない。
体育祭活躍していたし疲れたかな?
「朱里、優勝おめでとう。朱里大活躍だったね。」
「あ、うん。」
朱里のテンションのあがりそうな話題を振ってみるも、真顔が崩れない。
いつも元気な人の元気が無いと、落ち着かないし、心配になる。
「体育祭疲れた?」
「いや、そうでも。」
いつものように朱里が教室まで迎えに来てくれて、
いつものように手を繋ぎ、いつもと同じ道を歩く。
隣の人以外はいつも通りなのに、隣の人がいつも通りじゃないだけで、ソワソワする。
こういう時世間の恋人はどうするんだろう。
私たちみたいな曖昧な関係で、踏み込んでいいんだろうか。
私は“朱里の彼女”の自覚はあるが、好きな人である自信はない。
無言で歩く道のりでそんな事を、考えていた。
最適解を考えているうちに自宅マンションに着いた。
いつもならここで朱里と別れるが、私なりに考えた最適解を実行する。
