side 朱里
殺そう。
2年前の事件についてあかね先輩と時々らいちゃんも口を挟みながら話してくれた。
話を聞いて、元凶を殺してやろう。そう思った。
まだ今年の誕生日は来ておらず16歳。
殺害計画をして実行に移しても18歳までに間に合う。
少年院で済まされる。
そもそもバレずにできる気もする。
冷静に頭がものすごいスピードで回転した。
「殺意は分かる。私もるいも殺そうと思った。でもそんな事をしてもあかねは喜ばない。」
いつもニコニコとテンションの高いらいちゃんが自身の怒りと殺意を察し冷静に釘を刺した。
あかね先輩をみると、とても不安そうな表情をしていた。
あぁ、こんな顔にさせたい訳じゃない。
俺が元凶を殺したところでこの人のこの不安な表情は、深刻化するだけで笑顔にはならないし喜ばない。
「話してくれてありがと。その元凶への怒りは鎮まらないけど、それよりあかね先輩を守ることに徹するから。」
だから、安心して欲しい。
「そうして。その元凶の弟が1年にいるんだし。兄弟だから同じ事をするとは限らないけど、要注意。」
1年に弟が!?
「弟はこの事件の事を知らないし、兄とあかねが関わっていた事も知らないから何食わない顔で、近付いてくる可能性がある。」
だから俺にこの話をしてくれたのか。
「それは要注意だね。」
絶対に弟とは関わらせたくない。
何が何でも守りたい。
ああ、本当に俺はあかね先輩が好きなんだ。
女の子を守りたいと思った事も、
悲しませたくないと思った事も、
笑顔が見たいと思った事も、
安心して暮らして欲しいと思った事も、
自分に溺れてほしいと望んだ事も、どれもこれも初めてで、
でも全部、今確証に変わった。
side 朱里 終わり
