「そ、それって、つまりセッ」「あーごめん、ごめん。冗談!」
…昼休みから放課後までお礼を何か考えてみたものの、
『ヤラせて欲しいって話』
最初に朱里が言ったこのお願いを叶えてあげる以外、思い付かなかった。
「ヤラせてって最初、約束しただけで、それ以降朱里は何も言ってこないし、そんな素振りもないでしょ?この間一緒にお昼食べた時に、朱里はあかねとゆっくりじっくり付き合っていきたいって言ってたし、あかねが焦って身体を差し出す必要もないよ。」
本当にさっきのは冗談だと思える程らいは真剣にフォローをしてくれる。
「そうかな。私やり方も分からないし、経験もないし、全く自信は無いけど、朱里に返せるものがそれしか思い付かない。」
これまで初めてを大切にしてきた訳ではなく、恋愛偏差値が低く、タイミングが無かっただけだからか、ここまで協力してくれて、尽くしてくれている朱里なら、身体を許してもいいとさえ思ってしまっている。
「とりあえず、身体を差し出す話は忘れて?今日の報告とお礼で帰ってから朱里に連絡するでしょ?その時にデートに誘ってみたら?朱里はあかねとデートできたら嬉しいんじゃ…な…い?
ってそう言うことか…。」
らいが話しながら妙に納得した顔をしたと思ったら、
「はぁー。あいつ凄まじいな…。ってか回りくどい…」
「?」
「あかねとデートしたいからって…じゃなくてあかねから誘ってもらう事に意味があるのかーそー言う事か。繋がったわー」
ブツブツ状況を整理するらいだが、私は分からずにいた。
「とりあえず、朱里をデート誘ってみたら?」
「わかった。」
それがお礼になるのか…?
でもまあ、らいのアドバイス通りやってみよう。
「テスト終わり、ここに一緒にコーヒー飲みにきたら?」
…朱里もコーヒー好きなのかな…?
ここのカフェ雰囲気いいし、学校からも家からも近くて、近くにはショッピングモールもあるし、放課後デートにはぴったりか。
「うん、そうする。ってからい、さっきのどういう意味?」
“あかねから誘ってもらう事に意味がある”ってどう言うことだろう。
「朱里が私にもコーヒー券を渡す意味が分からなくて、朱里に聞いたけど、はぐらかされたのー」
