きみは永遠の小悪魔【完】

体ごと彗の胸に優しく抱きとめられた。くたくたになった私は、も一度息を整える。

彗のシャツにしがみつくように顔を埋めて、ぎゅうっと身を委ねた。


「そろそろ言う気になりました?」


つむじに降る低い声。
ぽやんと甘く蕩けた瞳で、かんばせを上げて彗を見つめるの。


「ん。彗…。も、3回終わったの?夢中になりすぎて数えてなかったです。ごめんなさい(濃いやつは、もうむりです。お腹いっぱい)」


うわ言のように、ごめんねを続けると、彗は違いますと言いたげに視線だけで訴えてきた。


「こっちはとっくに限界なのに。あんた、どんだけ我慢強いんだよ」


くしゃと髪を掻き上げる彗の耳に、最近開けたと教えてくれたヘリックスが煌めく。きゅうっと心が傾いたの。


「2ヶ月待ち続けましたけど……どうします?」

「……っ」


言葉の『意味』に触れたとき、ぶわっと恥ずかしくなった私は、赤らむ頬を隠すように両手で顔を覆った。俯き加減に瞼を伏せて頷いた。


「一日3回以上、解禁します……」


大人っぽいお願いをしたかったのに、心臓がばくばくしてそれどころじゃなくて「お手柔らかに、優しくお願いします…」と、これが精一杯です。

肌に張り付く指を剥がされた。彗がその柔らかい唇で、私の指先に何度もキスをする。

ゆっくり鼻先がくっつけば私は甘い毒に溺れる。


「んむ、」

「かわいい」

「…はぁ、ふ」

———全然足りませんね。


幸せ摂取過多、溶けそう。