本日の予定。

・朝はゆっくり8時過ぎに起きて、ご飯を食べたら今、夢中になってるドラマの続きを観る
・午後からは大学で3限と4限の講義を受けること
・夕方は図書館でレポートの作成とテスト勉強

以上、無事にミッションを達成した私は、大学の東門を出てから少し歩いたところにある学生用駐車場で彗を待つ。

お気に入りのダッフルコートのポケットの中、寒さから逃げた両手をすっと出して顔の前に持ってきた。

ひとつ吐いた息は冷たい空気に溶けた。「(さむい〜。ゔ〜)」と胸中で呟きながら見上げた冬の空は、6時を過ぎたばかりなのに、すっかり宵闇に包まれている。


「まだかなぁ。もうすぐかな。早く会いたいな」


マフラーに隠れた唇が、歌を歌うみたいに途切れなく言葉を紡ぐ。最後には「ふふん」と音楽も乗せて完全なる自作の鼻歌になってしまった。

今夜は財閥が主催するパーティーがあり、両親が出席する。彗は送迎のため両親に付きっきりだったはずが、合間で私を迎えに来てくれることになった。

昨日の夜、彗との電話で「一人で帰れるからいいよ」って言ったのに「危ないからダメです。あんた、どんだけ危機感ないんだよ」と、一蹴りされた。頬に溜めた不満をぷしゅと窄めた私は「お願いします」と伝えたの。


「いい子ですね」


暖かい布団の中でうとうと眠気に襲われながら、彗の満足そうな声に、幸せな笑みが溢れたのを覚えてる。

そして寝落ちをしていました。