逃げた私を彼は掴んで離さない



あれから私は裕莉と会わないように最善を尽くしていた。


さすがにコウと三人の授業のときは仕方ないので、なるべくコウを真ん中に挟む状態で座る。


だから水曜日はすごい憂鬱。


こんなにも嫌がっているというのに、私の心臓はいつもよりよく動いている。

言葉と本心が食い違っているというのはまさしくこういうことなのだろう。






「ねえ、一緒に帰ろ」


「は…やだよ」


「なんで?」


…やめてよ

「仲良くないから」


「だから努力してるんじゃん」

なにが努力だ


「結構です」


「やだ」


「こっちがやだ」

ガキなんだから


「ねえ」


…イラァ


「もうかえ…」

「泣くよ」


え…

彼の顔をみると本当に悲しそうな顔をしていて、、

え…演技か?


「それ、演技でしょ」


「本心だよ」


「もうそういうのいいから」