それぞれの愛し方





ああ……、その顔。

その顔だよ。

僕はそれを待ってたんだよ、ずっと。


僕が浮気してないかが不安なんだよね。

そうだよね、今まで一度も君以外の女と並んで歩くことがなかったからね、突然知らない女が出てきて不安なんだよね。

分かるよ。

僕も君が浮気してたら、なんて、考えるだけでも死んでしまいそうだ。



……まあ、本当に君が浮気してたら、とりあえず浮気相手を殺すけどね。



大丈夫だよね?

君は浮気なんて、してないよね?

僕のこと大好きって言ってくれたもんね?

結婚も視野に入れてくれてるんだよね?

一生一緒にいようって行ってくれたもんね。

ご両親にも挨拶したし、君も僕の親に挨拶してくれたもんね。

僕以外の男なんて、ゴミ以下だもんね。



……うん、大丈夫。

君は浮気なんてしないって、分かってるから。

ごめんね、怖がらせたよね。



安心して。

あいつは別に浮気相手でもなんでもないよ。

なんなら、友達ですらない。

ね、だから安心して。



君は何も考えなくていいんだよ?

僕が溢れんばかりの愛を与えるから。

君は何もしなくていいんだよ?

僕が全部代わりにしてあげるから。

君はどこにもいかなくて良いんだよ?

だって、僕がずっとそばにいるから。




君のためだったら、なんだってできるよ!

料理も、

洗濯も、

良好な交友関係を築くことも、

自分を偽ることも、

大っ嫌いな女に媚びを売ることも、

君の周りの害虫を消すことも、

全部、任せてよ!